公開 2020/06/02 / 最終更新 2020/06/02

裁定取引(アービトラージ)の売り残に異変。裁定解消なら相場に上昇圧力。6月12日SQまでが注目。

裁定取引の売り残が日経平均の価格と連動しなくなるという異変が起きている。2020年5月
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charttrader編集部

チャートトレーダー(ChartTrader):プログラム売買の裁定買い残チャート[日足]/NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)
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日経平均との逆相関がくずれた、裁定取引の売り残

今までの傾向では、裁定取引(アービトラージ)の売り残は、比較的日経平均と逆の相関を描いている。逆に、裁定取引の買い残は、日経平均と相関しやすい傾向がある。

しかし、コロナショックの暴落とともに増え続けた裁定売り残はその後も増え続け、逆相関から相関を描くようになっている。これは今までの投資環境、相場環境から変わってきていることを示唆している。

裁定取引の売り残が増えるということは、

現物の価格が高く、先物の価格が低いため、現物を売り(売り残増)、先物を買うという裁定取引(サヤ取り)が行われている。

先物価格が低いというのは、それだけ、短期目線での先物を売る投資家が多く、相場の下落が予想される。この原理から言えば、売り残が増える状況では相場は下がる傾向にあるはずだが、2020年3月ごろからそうではなくぐんぐん上昇してきている。

売り残の裁定解消での買い戻しは、メジャーSQの6月12日まで注目

一般的に、売り残は、反対売買となる先物決済期限となるSQもしくはそれまでに裁定解消することになる。もちろん先物を期先にロールオーバーすることもあるが、メジャー限月ということもあり、6月10日、11日(SQ前日最終取引日)、12日(寄付大商い予想)までは、買い戻しの上昇圧力が働く可能性がありそうだ。

そして、裁定取引の売り残は、毎週水曜日に更新されるので、次回の水曜日には、さらに売り残が増えているのか、それとも裁定解消が始まっているのかなど新たな展開が分かってくるだろう。

 


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